<東日本大震災>両親死亡、不明の子供少なくとも132人に

東日本大震災で両親が亡くなったり行方不明になっている高校生までの子供は、岩手、宮城、福島の被災3県で少なくとも132人に上ることが4日までの毎日新聞の調べで分かった。判明している大半は、親戚などに保護されているが、両親のどちらかを亡くした子供も加えるとその数は大幅に増えるとみられ、就学や進学、経済的な支援も含めた対応が早急に求められている。【宇多川はるか、山中章子、種市房子】
キーケース

 被災3県に、両親が死亡または行方不明になっている子供の数を聞いたところ、岩手県では山田町などで18歳未満が少なくとも57人、宮城県も女川町や東松島市などで同じく57人、福島県では相馬市やいわき市などで18人(4〜18歳)だった。財布

 子供たちは、「大半は親族が世話をしているが知人宅にいるケースもある」(岩手)▽「57人中55人は県内外の親戚に保護され、2人は県内の児童養護施設に入所している」(宮城)▽「ほぼ親戚などに保護されている」(福島)となっており、ほとんどが身内の家庭に引き取られている。ビジネスバック

 3県とも児童相談所の職員が、避難所などを訪問して子供の様子や今後の養育について聞き取り調査を実施中で、可能な限り親族のもとで養育してもらうよう勧めている。福島県は、東京電力福島第1原発事故の対応などで、実態把握が遅れ気味という。

 宮城県は「3親等以内の親族が育てる『親族里親制度』(生活費などの手当が出る)の活用を勧めている。親族が見つからない場合は児童養護施設に入所してもらった上で、親族以外が育てる『養育里親制度』(同)を利用してもらうか調整する」と話している。

 阪神大震災では、兵庫県内で両親ともあるいは父母のどちらかを亡くし保護者がいなくなった子供が68人報告されている。東日本大震災の死者・行方不明者数は2万5056人(4日現在)で、阪神大震災の6437人を大幅に上回っており、保護者を亡くした子供の数はさらに増えるとみられる。ショルダーバッグ